うたたね日記〜姫言葉ヒメゴト〜えいひ嬢による日々の言ノ葉を綴る、うたたね日記。

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姫の沖縄国際映画祭レポートPART1!!

出発前夜 3月27日

沖縄への出発前夜。いよいよ明日は虎影出陣の日。
昨年三月の下旬、満を持してクランクインした映画「虎影」
ちょうど一年前の今頃は、伊賀で私たちは撮影の真っ只中だった。

ひさしぶりの西村監督の新作、2008年の「東京残酷警察」に続き、
長編としては実に数年ぶりの「HELL DRIVER」以来のクラインクイン。
様々な思いを胸に、伊賀へ向かった日のことをつい昨日のことのように思い出す。

あれから一年・・この一年の間にも、色々なことがあった。
嬉しい事以上に、思い返せば正直苦しいことのほうが多かった気がするけど、
人生是修行也。すべてはここにたどり着くまでの、私にとって越えなければ
いけない宿題だったのだろう。そう思えば、何もかも忘れられる気がした。

明日の今頃は、沖縄に居る。部屋で出発までの準備を整えながら、
頭の中を様々な想いが浮かんでは消えていった。

出発までの準備の最中、メールを三通送る。
一通は友人へ、後の二通は、共に日々を闘った、虎影メンバーへ宛てて。
届いた返事を読みながら、それぞれの顔を思い浮かべつつ、日々を振り返る。

虎影クランクアップの日、共演した鳥居みゆき嬢から
「お世話になったお礼に」とヴィヴィアンのピアスをプレゼントしてもらった。
連日のハードスケジュールの中、撮影期間中にあった唯一の撮休の日に、
わざわざ買いに行ってくれたという、彼女とお揃いの想い出のピアス。
これも一緒に沖縄に連れて行こう、そう思い、大切にスーツケースにしまう。

私は人見知りだけど、なぜか彼女とは不思議と最初から馬が合った。
きっと彼女も私と同じく、人見知りなのだろうけど、時折人懐っこい面もあり、
上手く言えないが、彼女とは一緒に居て楽で、年はそんなに違わないけど、
傍にいると妹みたいに、大事にしてあげたいと思う存在。

撮影中は同じシーンも多かったので、一緒にお弁当を食べたり、
空き時間には彼女の部屋でふたりで喋ったり、短い期間ではあったけど、
大切な時間を共に過ごした深い仲だ。

だからこのピアスを最初に着けるときは、虎影初陣の日にと決めていた。
身に着けるにふさわしい日に。そう思い、今日まで大切にしまっていたのだ。
改めてピアスのお礼と、その旨をメールに書き、彼女に送る。
夜遅くに彼女から返信が届き、自分も一緒に連れて行ってくれるみたいで
うれしいと、喜んでくれた。
そう、わたしもそのつもりだったんだ。一緒に連れていく気持ちでね。

そして同じく、共演したやっしー(屋敷紘子)からも返信が届く。
彼女とは伊賀での撮影最終日の夜、私の部屋で朝まで語り合った仲。
彼女と西村組で一緒になるのは今回が初めてだったけど、不思議とそんな気が
しなくて、撮影期間中、同じ西村組の家族として苦楽を共にした。
彼女の気持ちも、一緒に沖縄に連れてゆこう。

そして、ここに書いていないメンバーも、虎影で出会ったみんな、
私を支えてくれた友人や家族、それぞれの顔を思い浮かべ、
一緒に沖縄に行くのだという気持ちに改めてなった。

本当は西村さんにも、メールしようかと思ったけど、
なんだかうまく言葉にならない気がして、送らなかった。

準備を整え終わった深夜、出発までの時間はあっと言うまで、
気がついたら朝になってたけど、それもまたよし、という感じだ。


3月28日 出発の日

朝7時起床。準備を終え、福岡空港まで車を走らせる。
空港近くの駐車場に車を預け、空港の出発ゲートまで送迎してもらう。
送迎車に大きなスーツケースを乗っけて、虎影バックを膝に抱えて乗り込む。

車を運転してくれていたお兄さんに、「虎影って、映画ですか?」と話しかけられ、
私が「そうです、今からこの映画で沖縄映画祭に行くんです。」と答えると、
「公開はいつですか?僕、見に行きます。博多でもやりますか?」
と言ってくれたので「公開は6月20日です。博多でも上映できたら、
是非見に来て下さい」と答える。車を降りる際に、
「気を付けて行って来て下さい!映画楽しみにしています!」
と言いながら送り出してくれた。なんだかうれしい。出発前に、いい人に出会えた。

出発カウンターに着くと、ヘアメイクのナッキーが私を見つけ走り寄ってきてくれた。
「姫ー!」「ナッキー!」ふたりで再会を喜び合いつつ、搭乗手続きへと向かう。
ナッキーは今まで、私のCMやビジュアルバムなど、数多くの仕事を一緒に
してくれたヘアメイクさん。付き合いは長く、ふたりとも博多在住で、
石井監督とのコンビの仕事の際はいつも彼女と一緒。
何も言わなくても、いつもしいなえいひらしい顔を作ってくれる貴重なヘアメイクさん。

今回の沖縄行きも、急なお願いだったにも関わらず、快く引き受けてくれた。
出発までに何度も二人で打ち合わせを重ね、今回の初陣にふさわしいメイクや
アイデアを一緒に考えてくれた。
搭乗手続きを済ませ、一緒に朝ごはんを食べてから、出発までの時間を
ラウンジで過ごす。いよいよだね、わくわくするね、けどヤバい、
もう緊張してきたよ!なんて話は尽きず、出発までの期待は高まるばかりだった。

10時5分発ANA沖縄行き、福岡空港を離陸。
沖縄に近づくにつれ、海と空の色が明らかに澄んでいくのが分かった。
ふと窓から空を見やると、大きな雲が鳳凰の形をして大きく飛んでいる。
驚いて、見とれてしまったけど、しばらくして慌ててカメラを起動して写真を撮る。

その写真がこちら



この写真を撮る頃には、飛行機はぐんぐん進み、雲もいつの間にか形を変えて
しまったけど、この写真を撮る前は、本当に鳳凰が飛んでるみたいに見えたのです。

そしてしばらくして、飛行機は沖縄に到着。
到着口を出ると、ファントムの方と、マネージャーの桶谷さんが待っていてくれた。
一緒に車に乗り込み、ホテルへと向かう。ホテルへ向かう道中、
車の窓から見えた景色は、すっかり沖縄の陽気。ほんとに沖縄に来たんだなあ・・
しみじみとかみしめつつ、車は15分ほどで無事ホテルに着いた。

部屋に荷物を置き、いよいよ今日のメインイベント「虎影」ワールドプレミア
までのカウントダウン。聞けば今日の「虎影」上映のチケットは、
5分で完売したとのこと。嬉しい。さっそく西村さんにその旨をメールで報告し、
出発までの時間、ナッキーとふたりで国際通りを少しだけ散歩してから、
部屋に戻って早速今日の準備に取り掛かる。

ワールドプレミアで着るドレスは、念のため二つ用意していた。
私は基本的に映画祭などではスタイリストさんを付けないので、衣装は全部自前。
今日のためにと準備したドレスは、実は当日着ていたものとは違うものだけど、
工との衣装とのバランスを考えて、直前で変えた。

理由は、本来着るはずだった衣装は魔女度が高すぎるから(笑)
さわやかな色合いの工の衣装と並ぶと、ひとりだけ「どこの魔女だよっ!」
って感じになりそうだったので、バランスを考え、やや控えめにすることに。

もうひとつの着るはずだったドレスは、ベルギーで着ることにしよう。
そして奇しくも当日私が来ていた黒金のドレスは、以前西村さんと行った
ニューヨークでの「HELL DRIVER」上映の際にも着ていたのと同じもの。
これも何かの縁ですかね・・そう思いつつ、準備に取り掛かる。

集合時間近くになり、ロビーに降りる。
そんな私なりに魔女度を抑えた(笑)本日の衣装はこちら



首には昔懐かしヴィヴィアンのチョーカー。左手にはいつもの龍の指輪。
肩には虎影バッグを持って。出発前のロビーで、ゴキゲンなしいなさん。
「やっぱりちょっと地味だったかな?大丈夫?」なんて思ったけど、
ナッキー曰く「全然地味じゃない」そうです(笑)

集合時間になったが、工ミックスは未だロビーに現れず。うおおおおい!!
「っていうか大丈夫なの?!巻物取りにいってんじゃないの?!
ちゃんと二日で戻って来れんの?!」なんて虎影風味に冗談言いつつ
「でもまあ主役は遅れてやってくるものだからね」などと言っていたら、
しばらくして、主役の虎影、無事ロビーに登場。

再会を喜び合いつつ車に乗り込み・・と言いたいところだが、
車内では、相変わらずいつものコントのような会話。

工には「親戚の人みたいだ」と言われている私だが、
そうね、確かに、あたしも時々弟みたいに感じるよ。

会場に向かう車中で、今回工とは初対面のナッキーを紹介しつつ
「いつも姉がお世話になってます」なんて挨拶してくれてたけど、
後はお互い嘘か誠かわからぬ冗談と突込みの連続で、
「今日の衣装、工に合わせて変えたよ。ちょっと地味目に」と言えば
「全然地味じゃないし、どっちにしても姫は魔女だから」とか言うし、
なのであたしも負けじと「うるさい!自分でもわかってるからいいの!
これでも抑えたの!魔女度を!」と返しつつ、
「ところでこないだの三輪車の写真見たよ、おもしろかった」と感想を述べれば、
「おもしろかった?じゃあ今日は三輪車で来れば良かった」と言うので、
「それ、絶対ウケたと思うよ(笑)」と、喧嘩しつつもまあまあ仲良く?!
コントしてるうちに車は会場に着いた。

控室でのわずかな時間を終え、いよいよ舞台挨拶、「虎影」のワールドプレミア。
今回の沖縄映画祭に、遊びに来ていたという三田真央ちゃんも駆け付けてくれて、
急きょ三人で舞台挨拶をすることに。真央ちゃんとも久しぶりの再会。



舞台挨拶に出る直前の扉の前で。
何を話していたかは忘れたけれど、たぶん、いつもの感じだと思います(笑)

そしていよいよワールドプレミア!


沖縄国際映画祭「虎影」舞台挨拶の様子(一部編集済み)

満員の会場の中、三人で和気あいあいと舞台挨拶。
舞台挨拶の内容は、各所の報道で掲載されていた通りですが、
撮影でこの日来ることが出来なかった西村さんのこと、
虎影撮影時の様子、主演の工ックスの印象についてなど、
それぞれに話しつつ、始終なごやかな雰囲気で舞台挨拶は進んでいく。

本当なら、監督である西村さんと一緒に、この舞台に立ちたかったのは
私も含め、ここにいた全員が思っていたことだと思うけど、
その分、ここにいる私たちが、西村さんの分まで、皆の分まで、
世界の西村作品の素晴らしさを、精一杯伝えたい、
そう思いながら舞台に立っていた。

本当はこの時、すごく私は緊張していて、自分で何を話したか、
実はあまり覚えていない。普段から、緊張があまり顔に出ないタイプなので、
見ていた人からは普通に見えたかもしれないけど、実際はかなりヤバかった。

そんな中でも、これだけは伝えなければと思っていたことを、
自分なりに精いっぱい話したつもりだけど、出来ていたかどうかは、正直わからない。
けれどその想いの一部でも、この会場に来てくれた人々に、伝わっていたら嬉しい。
けれどきっと、作品を見れば、何も言わなくても伝わると、不思議とそう思えた。
そう信じ、誇りを持って舞台に立てる作品に出会えた私は、
西村さんに出会えた私は、きっととても幸せなんだろうなと、そう思った。

思えば8年前「東京残酷警察」で西村さんに出会ってから、
今日と言う日まで、言葉には言い尽くせないほどの様々な苦楽を、
西村さんと共に歩んできた。西村さんとは、一女優と、監督としてというよりも、
どこか運命を共にした、戦友みたいな、ずっとそんな気持ちだったような気がする。
死ぬほど過酷な現場を、共に戦い抜き、完成した作品をひっさげて、
闘いに行くような気持ちで、二人で世界に飛び出して行った。

7年前、始めて訪れたモントリオールのファンタジアで、会場を埋め尽くした
1000人の観客のスタンディングオベーションに、西村さんと泣きながら
抱き合って喜びあった日のことは、今でも忘れられない。

その後一緒に回った世界中の映画祭。震災後、ふたりで訪れたニューヨークと
テキサスのイベント。西村さんは褌姿で会場を暴れまわって、バカをやって、
二人でコントしながら様々な映画祭を周った。

それまで海外では、三池監督の「オーディション」の椎名英姫として
認知されていた私が、この7年間の間で、いつしか
「西村作品のしいなえいひ」と言われるようになった。

最初の頃、私は海外でのインタビューで、いつも「オーディション」
のことばかりを聞かれていた。私はそのたびに、
「そうですね、有難いことです。けれどこれからは、西村作品のしいなえいひと言われるようになりたいです。西村さんは、それに値する素晴らしい才能を持った監督です」と答えてきた。
西村作品の基準値は世界。作品を見てもらえば、それがきっと伝わる。
そう信じ、いつの日かきっと、西村さんを世界の西村だと、
人々に解ってもらえるよう頑張ろう。自分の活動や日本での認知度を思うことと同じ
くらいの気持ちで、今までそう思いながら歩んできた。

今では日本でも、西村さんの活動と才能が認められ、映画「進撃の巨人」
の特殊造型プロデューサーを務めるなど、名実ともにようやく
その功績が日本にも浸透しつつあり、海外の映画関係者では、
今や西村さんのことを知らない人はいないと思うけど、これまでの道のりに置いては、
海外と日本とのギャップを、思い知らされることも少なくはなかった。

そんな中でもこの日本に、西村さんの作品や私の活動を、応援し、
理解してくれている人々がいることは、本当に感謝しているけれど、
私の日本での認知度は、海外に比べて低く、一番のホームグラウンドであるはずの
日本が、私にとってどうしても崩せない最後の砦だった。

各国の映画祭で賞を取っても、ニューヨークやモントリオールで新聞の一面に
掲載されても、DVDがいくら売れても、日本ではどこか埋められない溝があり、
最初の頃は結果を出せば何かが変わると思っていた、けれど、
結果を出しても何も変わらないなら、これ以上どうやって頑張ればいいのと、
西村さんに話しながら、やり場のない想いに涙したことも少なくなかった。

そのたびに西村さんは、私に、姫、あと少し、あと少しでいいから、
一緒に頑張っていこうと励ましてくれた。私が挫けそうになると、
西村さんがいつも私にかけてくれる言葉。

「姫、俺も頑張るから、辞めないでください。これからも一緒に、頑張っていこうね」

私は今まで、西村さんのこの言葉に、どれだけ励まされてきたことだろう。
西村さんも、私が西村さんを思うのと同じ気持ちで、
いつか日本でもしいなえいひが大きくなることを心から応援し、励まし続けてくれた。
そのことを思い出すたび、私はいつだって泣けてきてしまう。
西村さんだっていっぱい、悔しい想いしてるのに。
いつも私を励ましてくれたのは、他でもない西村さんだった。

そのたびに私は、もっと私が日本でも有名だったら、その求心力があったなら、
西村さんの作品を、この日本でももっと早くに、たくさんの人々に届けられたのにって
そう思っていた。西村さんはそんな私に、そんなことないよ、
しいなえいひだったから出来たんですって、そう言ってくれたけど、
自分の中では、ずっとそんな気持ちだった。

けれど「虎影」には、斎藤工という、頼もしい主演が居る。
「虎影」を、西村さんを、世に送り出そうと、熱い気持ちで頑張ってくれている
立派な主演が。私じゃ足りなかった力を、きっと工なら、発揮してくれる。

ちょうど一年前の虎影の撮影に入るひと月前、二人で審査員を務めた
夕張映画祭に向かうのバスの中で、私と工が話したのは、そのことについてだった。
お互い、長きにわたって西村作品に関わってきた者同士、気持ちは一緒だったから。

そして一年後の今、こうして立派に日本のワールドプレミアという舞台で、
西村さんの作品を一緒に送り出すことが出来て、本当に良かったと思っている。

舞台挨拶を終え、食事会に向かう車中では、
またいつものコントみたいな会話だったけど、心では、ありがとねって思いつつ、
お店に着き、皆で虎影初陣の乾杯をして、ホテルに戻った。

明日はいよいよ、レッドカーペットの日。
西村さんも到着するし、会えるのが楽しみだ。
せっかくの舞台、いっちょ工ックスと海坊主と一緒に、派手に練り歩きましょうか!
そう思いながら、気持ちはまだふわふわしたまんまで、なかなか寝付けなかったけど、
朝方、ようやくゆっくりと眠りについた。


次回へ続く




「虎影」ワールドプレミア舞台挨拶の各所報道はこちら↓

モデルプレス「虎影」舞台挨拶の記事
映画ナタリー「虎影」ワールドプレミア上映記事
東スポ「虎影」舞台挨拶の記事
スポーツ報知「虎影」ワールドプレミア上映舞台挨拶



次回はいよいよ最終日。姫の沖縄国際映画祭レポート、最終回のPART2は
「虎影」チームのレッドカーペットの様子を詳しくお届けいたします!お楽しみに!
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